足立美術館~日御碕(2020年10月西日本縦断旅行4日目)
米子を少々散策し、足立美術館へ立ち寄り、出雲へ。
出雲歴史博物館を見てから、日御碕神社へ向かいました。
米子
朝、出発前にホテル周辺を少し散策しました。
米子城址
ホテルから片道15分なので、早起きしていこうかと思っていましたが、鳥取砂丘の疲れが残っていたので断念。普段使わない筋肉を使ったためか、軽く筋肉痛になりました。
ホテルの窓からの米子城址です。上からは米子を一望できるそうです。
彫刻ロード
ホテルから5分強歩くと、彫刻のあるプロムナードが整備されています。
右の作品は「夢尻図(ゆめしりーず)」という名前でした。
朝食
ホテルの朝食です。おいしくいただきました。
米子→足立美術館
予定を組んでいるときに、足立美術館にも立ち寄れることに気づき、コースに組み入れました。東京からバスツアー(バス2泊)があるくらい人気があるので、以前から気になっていました。
美術館入館料2,300円には驚きましたが、コンビニで事前購入すると2,200円になるので、駅前のセブンイレブンで発券しました。
(JR山陰本線)8:30米子発→8:38安来着【200円】
米子は自動改札。ICで改札したのですが、車内では「後ろのドアは開かないので前のドアから降車」とのアナウンス。安来でIC使えるか不安になり、運転手さんに確認したところ、簡易ICがあるとのこと。
新旧が入り混じっています。
足立美術館シャトルバス【無料】
安来からは30分おきに無料のシャトルバスが出ています。
駅を出ると止まっていたので、すぐに乗り場もわかりました。
この日の1便目に乗車しましたが、10人以上乗っていました。
相当な人気スポットですね。
足立美術館
こちらが足立美術館の本館。
漆芸
入り口を入ってすぐ、漆芸作品の展示があり、さりげなく展示されているのですが、どれも美しく、ついつい見入ってしまいました。
苔庭
まずは軽くジャブという感じです。
あまりにも完璧で、そつがない感じ。
枯山水庭園
雑誌やSNSなどでよく見る枯山水庭園。本物は想像以上に美しかった。
紅葉の時期が一番人気のようです。確かに写真を見ると、紅葉した庭園はカラフルで美しかったです。
人が写っても、それはそれでいい感じになるほどの美しさ。
亀鶴の滝。なんと、人口の滝です。
お庭の向こうには道路があって、その後ろの山に滝を作ってしまったとのこと。
池庭
枯山水とは反対側にも池庭がいて、鯉が泳いでいます。
池庭を見ると、枯山水の美しさがより実感できます。
生の額絵
窓枠越しに池庭を見ると、生の額縁になります。
生の掛軸
日本家屋を外から見ると、奥の窓から見える白砂青松庭が掛軸のように見えます。
写りこんでしまう人も借景。
生の衝立
同じく、日本家屋を外から見ると、奥の窓から見える白砂青松庭が衝立のように見えます。
白砂青松庭
横山大観の「白沙青松」をイメージしたお庭。
足立美術館の庭園はたった7人の庭師によって管理されているそうです。
茶室寿楽庵
足立美術館内には、枯山水を望む喫茶室翠、池庭を望む喫茶室大観があります。翠に入ろうかと思ったのですが、窓側席がいっぱいとのことで、メニューは少ないけど、茶室にしました。
お抹茶と小豆のお菓子(品の良い羊羹)をいただきました。1,000円です。
こちらでは、純金製の茶釜で沸かしたお湯で抹茶を点てているとのこと。縁起が良いそうです。
茶碗は島根の窯元のものを使用。私は、錦山焼というものでした。
茶室はとても狭く、10人も入れない広さ。
椅子は丸椅子で、くつろぐような雰囲気ではありませんが、お茶とお庭で静かな時間を過ごせました。
日本画ベストアーティスト10
竹内栖鳳(たけうちせいほう)、菱田春草(ひしだしゅんそう)、河合玉堂(かわいぎょくどう)、伊東深水(いとうしんすい)などの作品が展示されていました。
どの作品も素晴らしく、見ごたえのある絵ばかりでした。
魯山人館
今年の4月に開館したそうです。
壺や食器など、モノホンという感じの、渋めのものが展示されていました。
いいものに囲まれて暮らすって、それだけで生活が彩られて豊かになりそうだなあと実感しました。
女性誌の「ていねいな暮らし」的なものには抵抗を感じてしまいますが、自分なりにいいものを使っていきたいと思いました。
(新館)横山大観展示
足立美術館 開館50周年記念として、横山大観の作品が100点展示されていました。
これまでこれだけの数を一度に展示したのははじめてだそうです。
普段美術館で絵葉書を購入することはないのですが、なぜか足立美術館では6枚も購入してしまいました。
季節に応じて部屋に飾りたいです。
安来→出雲
(JR山陰本線)安来12:05発→13:22出雲市着【990円】
特急電車もありましたが、途中宍道湖を眺めながら鈍行でのんびり。
(一畑バス)出雲市駅13:30発→14:10正門前着【510円】
出雲駅で下車し、駅舎を出ると、すぐ前に出雲大社方面バス停があります。
一畑バスは、バスカードが1,000円で1,100円分利用できるので、車内で購入しました。
平日午後ですが、観光客でほぼ満席になっていました。
出雲歴史博物館
普通であれば、出雲神社参拝なのでしょうが、昼過ぎに参拝することに抵抗があり、この日は出雲歴史博物館へ。バス停からは歩いて2分程度にあります。
入ってすぐ展示されているのは、出雲大社境内から出土した本殿の柱。平成12年~13年に発掘したもの。
原田遺跡の石器。2万5000年前の火山灰より下で発掘されたもの。島根でも最古の石器だそうです。
土偶たち。
弥生人の顔。縄文の土偶と異なり、面長で、頭頂部には鶏冠のような表現。
卍文柄鏡。朝鮮半島製の小型手鏡です。
出雲で流行った、四隅突出型墳丘墓の模型。
ほんとうに、四隅が突出しています。
勾玉などの装飾品の充実しています。
石見銀。レプリカです。
古事記の真福寺本です。原本は愛知の真福寺にある国宝で、こちらは影印本です。
影印本(えいいんぼん)とは、原本を写真撮影し、それを原版にして印刷した「複製本」のこと。
こちらは日本書紀。
青木遺跡から出土した、古代の神像。全国的にも最古級とのこと。
同じく、青木遺跡から出土した、古代の絵馬。
巨大神殿の設計図。巨木3本を束ねて1柱とし、階段の長さ約109mとするものです。
巨大柱とともに出土した、大型の釘、鎹、手斧などの鉄製品。複製品です。
巨大本殿を描いた絵図の拡大版。
様々な人が作った、巨大本殿のレプリカ。
さらに大きなレプリカ。
このサイズでもすごいです。
ほんとすごい。
出雲大社の信仰を広めた御師が人々に授けた、護符とお土産のマニュアル。
護符を収めた箱は御払箱と呼ばれ、毎年新しいものに改められた。お払い箱という言葉はここから生まれたらしい。
お土産のマニュアルって、いったい何を書いているんだろう。
726年に地名の表記を改めた訂正出雲風土記。
仮名交じり出雲国風土記。
青銅器を復元したもの。
雲南市加茂岩倉遺跡から出土した銅鐸。
シカや四足獣などの模様が描かれている国宝です。
荒神谷遺跡から出土した358本の銅剣が勢ぞろい。
下には出土した現物(国宝)が並び、上には2000年前に作られた当時の輝きを再現したもの。
2000年前の銅剣。
こちらは銅鐸。
銅鐸もぜいたくに並びます。
こちらの銅鐸には、ウミガメが描かれています。
こちらの銅鐸はシカが描かれています。
加茂岩倉銅鐸の、埋納時の様子を再現したもの。
すべての銅鐸は鰭を点て、横倒しの状態。大きな銅鐸に小さな銅鐸をはめ込んだ入れ子の状態でもあったそうです。
思った以上に展示が充実していて、1時間では全く時間が足りませんでした。
特に、大量の銅剣、銅鐸は圧巻でした。
日御碕(ひのみさき)
夕日が有名な スポットです。日御碕神社にも行ってみたかったので、遅い時間ですが行くことにしました。
(一畑バス)出雲大社連絡所15:25発→日御碕15:45着【510円】
バスは地元の方が何名か乗っていて、観光客は私一人でした。
稲佐の浜
出雲大社から3分程度で通過です。
途中の海ではイルカらしきものが泳いでいるのが見えました。写真は撮れなかったのですが、行も帰りもみえました。
日御碕が近づくと、神社を眺望できるスポットとの看板が。慌ててカメラで撮影しました。
日御碕神社
日御碕バス停で下車して、すぐのところに鳥居があります。
朱塗りの建物が美しい。
日沉宮(ひしずみのみや)の拝殿です。天照大神が御祭神。 南向きです。
神の宮(かんのみや)です。御祭神は素戔嗚尊。拝殿は西向きです。日本の夜を守るとのこと。
「神代の昔、素盞嶋尊が柏の葉をとりて占い『吾が神魂はこの柏の葉の止まるところに住まん』と仰せになって投げられた柏葉が隠ヶ丘に止まった、とも伝えられ、日御碕神社の神紋の由来とされています。」
なんのこっちゃという感じですが。
毎年12月31日に行われる神劔奉天神事は、素戔嗚がやまたのおろちを退治して、天の叢雲劔を得たとき、天葺根命を使いとして、天照大神に奉じたとする故事に由来するものだそうです。天葺根命の子孫で、日御碕神社の宮司の小野家に伝わり、古代から続けられているとのこと。
古事記に由来する神事とは、すごい。憧れます。
日御碕神社では御砂守りがあり、御砂の由来などが書かれた碑です。
境内図には、神紋石舎とかかれていました。なんだか気になったので写真を撮りました。
神社の御由緒の中に、付近の古跡・名勝として、素戔嗚の御神陵地として尊崇される「隠ヶ丘」 について書かれていました。神域の付近から柏の葉を印した化石が出土し、これを「神紋石(ごもんせき)」と称するとのこと。
隠ヶ丘は、日御碕神社から日御碕灯台のほうへ行く途中の道を、海とは反対側に入ったところにあるようです。せっかく近くまで行ったのに、いけなかったのは無念です。
もともと素戔嗚尊は、隠ヶ丘に鎮座されていたものの、安寧天皇13年に今の場所へ。
普通に考えると、隠ヶ丘が素戔嗚の御陵ということになりますよね。
稲荷神社
上の宮の裏には、朱塗りの鳥居があります。
稲荷神社があるようなので行ってみました。
かなりうっそうとしていて、おそらく楠の木々に囲まれていました。遅い時間には不向きかもしれません。
社殿の写真もあったのですが、最初にアップロードしたときにこの写真だけエラーになり、再度アップロードしたところ、そのあと頭痛に見舞われたため、稲荷神社の写真は掲載しないことにしました。
右上のほうが稲荷神社です。
手前には、昭和天皇の御製があります。
「秋の果の碕の浜の みやしろに をろがみ祈る 世のたひらぎを」
こちらが御砂守り。ネットでは、出ていないので、聞かないといけないとの情報がありましたが、普通にほかのお守りと並んでいました。厄除け効果が半端ないとのこと。期待したいです。
日御碕灯台
神社を出て、日御碕灯台方面へ向かうと、鳥居と社のある島が見えます。
経島(ふみじま)といい、形状節理の岩がお経のようなところから名づけられたそうです。
現在はウミネコの繁殖地として、天然記念物にも指定されています。
神代以来、日沈宮は、経島に鎮座されていましたが、村上天皇の天暦2年(1000年前)に、現在地にご遷座されたとのこと。
もともとは、素戔嗚の御子である天葺根命が清江の浜で、天照大神の御神託を受け、島上に祀ったとのこと。
8月7日の夕刻に、天葺根命が天照大神の御神託を受けたとする故事を縁起とする夕日祭りを行う場所です。
経島を拡大するとこんな感じ。
日御碕灯台へ到着。開館時間が終わっていたため、周辺を散策しました。
上の写真の先端にも歩いて行けます。
灯台は白くて美しかった。
西の空は雲で覆われ、夕日は微妙そうです。
ただただ日本海と西の空を眺めます。
いわばはこんな感じ。
経島(ふみしま)
遊歩道を歩くと、ふたたび経島が見えてきます。
いろんな角度から。
少し夕焼け空が見えました。
日没には少し早かったのですが、次のバスを逃すと、1時間30分後なので、明るいうちにバスで出雲へ戻りました。
ファミリーロッジ旅籠屋 出雲大社店
出雲周辺だとお高めの旅館かな、と思っていたのですが、比較的リーズナブルだったのでこちらへ。
チェーン店なので、今までも宿探しで検索するとよくヒットしていました。口コミがあまりよくないのでスルーしていました。
なんだか、アメリカ映画に出てくるモーテルみたいですね。
なんと、一の鳥居のすぐ下にあります。
神話の情緒はありませんが、広くて、快適でした。
部屋
おそらく全室同じつくりで、ツインです。入口で靴を脱いで上がるところがいいと思いました。
お風呂とトイレが別なのがいいです。